Lp(a)検査企画
この度、第57回日本動脈硬化学会総会・学術集会(JAS2025)において、リポ蛋白(a)[Lp(a)]検査の啓発を目的とした検査ブースを共催企画することにいたしました。
循環器病に係る対策に関する基本法が平成30年に制定、令和元年より施行されました。各都道府県において循環器病対策推進計画により、循環器病の診療情報の収集・提供体制の整備が進められております。その中で、循環器病の予防や正しい知識の普及啓発は1つの重点項目となっており、『循環器病の発症予防及び重要化予防』、『子供のころからの国民への循環器病に関する正しい知識(循環器病の予防、発症早期の適切な対応、重症化予防、後遺症等)の普及啓発の推進』、『循環器病に対する国民の認知度等の実態把握』が求められております。
近年海外において、心血管疾患のリスク評価としてLp(a)が再び注目されております。 Lp(a)の値の多くは遺伝的に規定され、Lp(a)高値は動脈硬化性疾患の独立した心血管疾患のリスク因子であり、心筋梗塞、末梢動脈疾患、虚血性脳卒中および心血管関連死亡との関連があることが報告されています。Lp(a)の歴史は古く、Lp(a)と心血管疾患との関連については1990年代をピークに多くのエビデンスが報告されておりますが、その後、他の様々な医学の発展に注目が集まったことを背景に、Lp(a)の認知は低くなり、測定機会も少ない現状となっております。しかし、ここ数年、欧米を中心にLp(a)に関するガイドラインやコンセンサスステートメント1)-6)が発信され、心血管疾患のリスク評価としてのLp(a)の意義が見直されつつあります。また、2025年3月24日から25日にベルギー・ブリュッセルで開催された「Lp(a)グローバルサミット」では、世界各国の国際的な専門家だけでなく、政策立案者、患者団体などのステークホルダーが一堂に会した初のグローバルイベントであり、より効果的な Lp(a) 検査の実施と管理のあり方について議論が行われました。その成果として作成された「Lp(a)測定と管理に関するブリュッセル国際宣言」では、臨床現場における Lp(a) 測定の標準化・普及促進、リスク評価への早期導入、さらには高リスク群の適切な管理や治療に関する研究推進などが提言されており、医師・医療従事者だけでなく、一般市民への Lp(a) の理解促進と情報提供の充実も盛り込まれ7) 、Lp(a)測定による心血管疾患のリスク評価は本邦が目指す循環器病の予防対策の一助にもなる可能性があると考えております。
学術集会においてLp(a)検査の認知向上を目的とした企画は、国内ではまだ数少ない試みです。本学会員参加者のみさまにおいては、本検査ブースに立ち寄っていただき、今一度、心血管疾患のリスク評価としてLp(a)検査の必要性を考える機会としていただくことを期待しております。
- 会長
- 島野 仁(筑波大学 医学医療系)
- 会長
- 梶波 康二(金沢医科大学医学部/帝京大学医療技術学部)
- 参考文献
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- Eur Heart J. 2022 Oct 14: 43(39): 3925-3946
- Atherosclerosis. 2023 Jun:374:107-120. doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2023.04.012. Epub 2023 Apr 28
- Can J Cardiol. 2021 Aug;37(8):1129-1150. doi: 10.1016/j.cjca.2021.03.016. Epub 2021 Mar 26.
- Eur Heart J. 2020 Jan 1;41(1):111-188. doi: 10.1093/eurheartj/ehz455.
- Circulation. 2019 Jun 18;139(25):e1082-e1143. doi: 10.1161/CIR.0000000000000625. Epub 2018 Nov 10.
- J Clin Lipidol. 2019 May-Jun;13(3):374-392. doi: 10.1016/j.jacl.2019.04.010. Epub 2019 May 17.
- Atherosclerosis. 2025 May; In Press. doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2025.119218. Available online 5 May 2025.
Lp(a)検査ブース 実施概要
Lp(a)検査ブース 開催内容 |
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